著者 マッテオ・モッテルリーニ
泉紀子 訳
紀伊國屋書店
どうもタケチです。
今日の紹介する書籍は、
経済は感情で動く
著者の経歴
・サン・ラファエレ生命健康大学の准教授
人って不合理…
どうした?
この本を読むと、
世界は感情で動いているだな~ってわかるよ(笑)
それでは、書評をしていきましょう♪
要点
- 人は「知っている」だけでは感情には勝てない
- 多額のお金と時間を投資したものはすぐには捨てらえない。
- やらなかったことへの後悔は長い期間悩み続ける
「お金の価値は一定ではない」
私たちは事お金に関しては、額の多少にかかわらず、
念には念を入れて考える。
それなのに、知らないうちに矛盾した判断をしていることが少なくない。
お金の使い方は、そのお金がどのように得たかで大きく左右する。
例えば、ギャンブルや宝くじで得たお金と
汗水流して働いた給与とでは価値が違う。
どういう事かというと、
宝くじで得たお金は「ラッキー♪今日はついているぜ!!」という感じで
得られた価値は安く見積もられ、すぐに使ってしまうだろう。
次に給与はどうかというと人は高く見積もる。
せっかく一か月苦労して得たお金なのだから。
「お金の使い方でも差が生まれる」
人はお金を貯めるとき、どこを切り詰めるだろうか?
家賃? 確かに今住んでいるところは高いけど、めんどくさいし
何より引っ越し代がかかる。
多分手軽なところ、食事などの生活費を減らすことが手っ取り早い。
行き過ぎると日々の生活費を一円単位でケチる。
次に友達との遊びだとどうだろう。
「久々の遊びだし、たまにするお金の浪費だから」と考え、
パっと使ってしまうことがある。
金額は多少気にするだろうが、かなり財布のひもはゆるくなる。
「お金の使い道でも差が生まれる」
ここであなたに質問。
質問1
今日は土曜日、大好きなアーティストのライブがある。
あなたはウキウキと会場に出かける。
入口に近づいた時、2万円もしたチケットをなくしてしまったことに気づいた。
さてどうしよう。
あなたはチケットを買いますか?
質問2
設定は質問1と同じ。
今度はチケットをなくしたのではなく、チケットは会場で買うシステムで
ポケットに入れておいた2万円をなくしてしまった。
もちろん、財布はある(2万円も入っている)。
あなたはチケットを買いますか?
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ほとんどの回答は質問1の場合、チケットは買わない選択をした人が多く
質問2に対しては逆に買うと答えた人は多かった。
なぜ?
どう考えても結果は一緒だ。
なぜこうなるかというと、ライブは自分が楽しむ娯楽費にあたる。
チケットを無くして買い足すのであれば、月に2万円も増えることになる。
娯楽にかかるお金がオーバーすると考えるから気が引ける。
次に、落とした2万円については、
娯楽費と何の関係もないと考えられるからだ。
考え方次第で変わる?
そうだね。
結果は同じでも、面白いぐらい変わるんだ。
「人は行動を決める(もっともな理由)がほしい」
さっそく質問。
あなたは今学生で、大変な試験がやっと終わったところだとしよう。
①合格したら沖縄旅行のチケットを買うだろうか?
②不合格したら沖縄旅行のチケットを買うだろうか?
結果、どっちも同じくらい多くの人が行くと答えた。
では次に、条件を付け加える
合格発表が遅れてしまって結果がわからない時はどうだろうか。
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▼
面白いことに多くの人は延滞料金がかかっても旅行を遅らせると答えた。
なぜ?
最初の質問では結果がどうあれ、旅行に行くことにしていたのに
「結果がわからない」が決意を鈍らせたのか?
実はそうなのだ。
結果がわからないのであれば、「この旅行は何を理由に行くんだ?」
ってなる。
こういう事は身近なことでも起きる。
欲しかった商品があり、店に行ったときに
品数の多さに迷う。
こっちもそっちも性能が違う…
「僕にとってどれがいいんだー!!」
人は迷いや葛藤があると、「選択を遅らせるか」か「選択しない」
を選ぶ傾向にある。
こういう状況だと買わずに店を出るのが僕のパターン。
「引く時期を遅らせれば、引き返せなくなる」
投資したお金や時間が多いほど、
たとえそれが負けると思っていても人は引き返せなくなる。
これは心理学用語でコンコルドの誤謬(ごびゅう)という。
例えば、自社で開発している商品があるとしよう。
しかし、ライバル会社が同じような商品を販売し始めた。
しかも今開発しているものよりも性能がいい。
これでは、遅れて出しても売れない可能性がある。
だって性能も悪いのだから。
普通なら商品化はやめにした方がいい。
だが、ここまでくるのに多大な時間と開発費を投資している。
結局後には引けないと思い、販売まで進めてしまった。
案の定、商品は売れず在庫が残ってしまった。
こういうのはあくまで例だが、
撤退する勇気がない人が経理をごまかしたり、
無理な投資をして損を積み重ねたりすることはよく聞く。
確かによく聞くな~
「日常に潜むコンコルドの誤謬」
あなたは今週末にスキー旅行する予定になっている。
しかし、その日は猛吹雪で、天気は最悪だ。
ここで、あなたは選択を迫られる。
①せっかく旅行代金まで払ったんだから行かなければ損になる。
丸一日が無駄に終わると思いつつ。
②行っても絶対に寒いから家で家族とこたつで温まっている方がいい。
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▼
大体の人は①を選ぶ。
しかし、この質問は条件でいとも簡単にひっくり返る。
それは、旅行がたまたま商店街のくじで当たったものだったものなら
簡単に②を選ぶだろう。
これは「使ってしまったお金というトリック」のせいだ。
使ったお金に目をつぶることはできなくて、
捨ててしまったとは思いたくない。
そこでいざ決心する段になると、
すでにした投資の方に気を取られ、
肝心なことを忘れてしまう。
選択の結果、それだけコストがかかり、
将来の利益はどうなるのかを考えられなくなるのである
後半の内容
- 先入観という魔物
- 人はやる後悔とやらなかった後悔どっちがましに思う?
- 悪いとわかっていてもその時の感情が勝つ
- 怠け者の脳
その他の内容
- プラス面に注意を向けるか、マイナス面に注意を向けるか
- 三つあると真ん中を選ぶ心理
- 優先順位がひっくり返る
- 勝利しても喜べない銀メダリスト
- 得している株は売り、損している株は手放さない
- 知ってるつもりの罠
- 経験が邪魔をする
など、紹介できなかったことがまだまだあります
続きはぜひ本書でお読みください。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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