著者 ダン・アリエリー
熊谷淳子 訳
早川書房
どうもタケチです。
今日の紹介する書籍は、
予想通り不合理 ~行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」
著者の経歴
・行動経済学研究の第一人者
・デューク大学教授
こんな人におすすめ
・行動経済学に興味がある人
・ビジネスで客の行動を研究したい人
・先延ばしにするくせがある人
そんなあなたにぴったりの書籍です。
行動経済学か~。
なんか難しそうだな
確かに難しい分野だけど、
本書はわかりやすく僕たちの日常生活に関すること、
日々の生活を改善でき、
仕事にも応用が利くような構成になっているよ。
人は情報があっても、それを十分に利用しなかったり、
冷静な計算ができなかったりして、
合理的ではない直感的に物事を決定しまうことが多い。
また、一度決めたことを先延ばしにしたり、誘惑に負けたりしがちだよね。
行動経済学とは、こうした不合理な行動を前提とした経済学なんだ。
知ってると知らないとでは大違いだよ。
それでは、書評をしていきましょう♪
要点
・「お金で解決する」は使いどころが大事
・市場規範と社会規範を混ぜると秩序が消える
・先延ばしの問題は成績にも影響される。
「罰金をつけたことで、社会規範が崩壊」
そもそも社会規範と市場規範ってどういう意味なの?
簡単に言うと、
社会規範とは、
愛情や友情、道徳などで判断されるもの
社会的なつながりをもとにした価値判断。
市場規範とは、
金銭的なつながりを基にした価値判断。
なるほど。
わかったけど、罰金で社会規範が崩壊したってどういうこと?
保育園を例にしてみよう。
保育士は悩んでいた。
それは、園児を迎えに来ない親がいることだ。
子供がまだいると保育士の後片付けの仕事が進まない。
あるとき園長は考えた。
「そうだ、迎えに遅刻してくる親には罰金にしよう」
誰だって遅刻のために罰金なんか払いたくはない。
みんな時間を守るだろうと……。
この保育園はどうなったと思う?
それは、遅刻してくる親はいなくなり、
ハッピーエンドじゃないの?
結果、遅刻する親が激増(笑)
どうしてだ!!
それは、罰金にすることによって、親は今の会社で残業をした方が得られる金額が増えるからだ。
しかも、罰金を取るって取り決めができることによって、
親たちの保育士に後ろめたさがなくなったんだ。
今まではタダで待ってくれていたからね。
罰金刑をする前は何とか社会規範を守っている親の方が多かった。
市場規範に持ち込んだことによって、社会規範を崩されたんだよ。
しかも続きがあって、慌てて罰金刑をなくしたけど、
遅刻してくる親は増えたままだったんだって。
「市場規範と社会規範は混ぜると危険!!」
ちょっとしたプレゼントで気分を害する人はいない。
たとえたいしたものでなくても、
それによって社会的交流の世界にとどまることができ、
市場規範に近づかずに済むからだ。
これに金銭がかかわってくると厄介なことになるんだ。
どういうこと?
例えば、引っ越しを手伝ってほしい時に
友達に話を持ち掛けたら即答で「いいよ」って返事をもらったとしよう。
そこで友達に「タダじゃ悪いから300円は払おう」って言ったらどう思うかな。
どうして300円かはさておき(笑)
たぶん「俺はそんなに安くない」って怒ると思うんだよね。
性格悪い奴だな。
これはあくまで例えだからね(笑)
でも、何で怒ると思う。
最初は金銭すら発生していない。
0円から300円になるのに。
これは実験で証明されているんだけど、
人は無料でなら喜んで働くし、市場にのっとった賃金でも喜んで働く。
ところがほんの少額支払うと申し出ると、
怒り出すか、その話はなかったことになる。
プレゼントでも同じことが言える。
たとえたいしたものでなくても十分に人々を手伝う気にさせられる。
だけど、そのプレゼントがいくらしたか口に出したとたんに、
気まずい空気になること間違いなしだ。
相手が彼氏、彼女だったら最悪だね(笑)
社会規範に金銭が絡むことによって、判断基準がぶれちゃうんだよ。
「先延ばしの問題を自覚せよ」
先延ばしは誰にでも当てはまることだよね。
そして結局やらない……
出された課題は無くなった。
……。
行動経済学ではもちろん先延ばしに対しての実験をしている。
先延ばしたことによって成績に問題が現れるんだ。
例えば、次のうちに一番成績が悪かったグループはどれだと思う。
みんながわかるように夏休みの宿題で例えよう。
①夏休み期間中は宿題の提出がなく、
学校が再開した初日に宿題を集めるグループ
完全に柔軟性と選択の自由を与えられている。
今まで通りの休みの流れだね。
②夏休み期間中だけど、
宿題の範囲を分割して「○○日までには提出します。」っていう、
先生にわざわざ宣言するグループ
先生にしてみれば、めんどくさい生徒だな。
③これも同じく夏休み期間中だけど、
今度は先生が提出日を決められるグループ
これは学生に選択の余地は全くない。
以上の3つからどれが最も成績が良かったと思う?
結果は①の自由なグループが一番成績が悪かった。
次に②で、
一番成績が良かったのは、③の選択の余地がないグループだった。
この実験は何が言いたいんだ?
ようは自由を厳しく制限するのが一番先延ばしに効果がある。
そして、自分が決意表明するだけでも効果があったっていう事なんだ。
その他の内容
・同じものなのに、値段が高い方がより効果がでる理由
・選択の自由が多いせいで大事なことがおろそかに
・グループ間の信頼を簡単に壊す方法
など、紹介できなかったことがまだまだあります
続きはぜひ本書でお読みください。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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