著者 橘玲
幻冬舎
どうもタケチです。
今日は紹介する本は
残酷な世界で生き延びるたった一つの方法
著者の経歴
作家
「どうして僕は成績が悪いんだろう」
「努力をすれば、成功するって言われているけどそんな感じがしないな」
「好きなことを仕事にっていうけれど、本当に大丈夫なんだろうか」
「努力しているのに、うまくいかないな」
そんなことに悩んでいる人に本書はオススメだ。
本書はその答えを出してくれている。
この本の言いたいことはざっくり2つ
・今いる会社を捨ててグローバルの世界へ
・無料のデジタルインフラを使い倒せ
ってことだ。
どういう意味かって?
では、さっそく書評をしていきましょう♪
本書の目次
「やってもできない」人のための成功哲学
能力は向上するか?
1:「やってもできない」には理由がある
2:能力主義は道徳的に正しい
3:「好きを仕事に」という残酷な世界
自分は変えられるか?
1:わたしが変わる。世界を変える
2:「20世紀少年」とトリックスター
3:友達のいないスモールワールド
他人を支配できるか
1:LSDとカルトの複雑系
2:こころを操る方法
幸福になれるか?
1:君がなぜ不幸かは進化心理学が教えてくれる
2:ハッカーとサラリーマン
3:幸福のフリーエコノミー
恐竜のしっぽの中に頭を探せ!
要点
・努力神話はこじつけ。人の知能は変わらない
・「好きを仕事に」を求めすぎると「単純作業」への道になる。
・生き延びるたった一つの方法は評判の領域を拡大させること。
努力神話のこじつけ
「俺が成功して、お前が成功しないのは努力しないからだ」ってセリフは
巷のビジネス書ではよく見かける構図だ。
努力神話の構図
- 知識社会では、勉強すればするほど幸福になれる。
- 勉強できないのは、努力する習慣がないからだ。
- 習慣というコツをつかみさえすれば、スポーツのように自在に使いこなせる。
- 勉強を習慣化すれば、報酬もついてきてもっと勉強するようになる。
- そして、すべての人は幸せに暮らしましたとさ。
このことから、熱心に教育をしていけば、豊な人が出来上がり、
教育こそが人を変えることのできる最適解とされている。
人が豊かになるには教育を良くすればいいんだね。
でも去年から英語の勉強を頑張っているけど、全然よくなってないぜ。
そういうの、あるよね。
やってもできない人は存在する。
そして、できない人は周りなんて呼ばれる?
「おまえは努力が足りないんだ。」
「努力のやり方が違うんだ」
行動遺伝学が解明した、残酷な指標
行動遺伝学によると、人の「知能・性格」は遺伝する。
遺伝率から言うと70%だ。
だから、ちゃんと授業を受けていても
できる人は量産できず、偏りが出てくる。
じゃあ親の頭が良くなかったらどうしようもないのか!!
全てではないけどね。
もちろん、努力で苦手な分野をカバーできる。
だけど、やってもできないことの方がずっと多いのだ。
大量の時間と体力を注ぎ込んだのに、平均点だったのでは
単なる時間の無駄ではなく、ほとんどの場合は有害だ。
ではどう生きる?
努力が報われることは難しいとなると俺の人生積んだ!!
諦めるにはまだ早い!!
確かに苦手な分野は必ずだれにでもある。
だけど、苦手なものはあってもいいんじゃないのか。
別の強みさえあればいいのだ。
ドラクエでいうと、魔法使いが仲間を回復させず、最前線で格闘家のマネ
をしても仕方がない。
もちろん、逆もある。
武道家が敵を目の前にして、薬草を配り歩いて仕方がない。
「お前は、早くはぐれメタルを倒せ!!」ってな感じ(笑)
僕が言いたいのは、
仕事に必要なスキルをバランスよくする必要はない。
ダメなものはダメでそんなものは捨ててしまえ(笑)
そして、できることを伸ばすことに時間を費やす。
そうすれば、あなたが得意なことは、
誰かが苦手なことをカバーしてあげることができる。
「好きなことを仕事に」という残酷な世界
「好きなことを仕事に」
「好きなことだけをしてもお金がもらえる」
まさにこの言葉の世界は理想郷だね。
これはよくビジネス書で出てくる。
ここで大事なのは、仕事と趣味を両立させられるのは、
極めて高い能力を持った人だけだ。
夢を捨てられなかった人
「アンヴィル! 夢をあきらめきれない男たち」という映画がある。
1980年代初頭のロックシーンに多大な影響を与えたが、
そのあとはヒット曲がなく、周りから忘れ去られてしまった。
ヘヴィメタバンドのドキュメンタリーとなっている。
周りから見向きもされず、20年以上たち50代になった今でも夢を捨てきれずに
歌い続けている。
なぜ、まだ続けていけるのか?
帰ってきた答えが
「ロックが好きだから」
「好きなことをやる、それ以上に大事なことが、人生にあるのかい」
なんか切なくなってきたよ…
でも勇気をもらえる映画でもあるよ。
だけど、戦略次第では好きを仕事にすることは可能だよ。
それは後ほど。
挫折の先の単純労働
好きなことを仕事にすることに失敗した年齢が高ければ高いほど、
再出発の時の選択肢は確実に少なくなっている。
長い時間をかけて覚える仕事、
つまり専門的な仕事に就くのはかなり難しい。
では、ほかにはどんな仕事があるのか?
マックジョブ(マクドナルド化した仕事)と呼ばれるもの。
つまり、効率化された単純労働だ。
”マックジョブ”は、全ての作業が厳密にマニュアル化されている。
掃除だって例外ではなく指定されていた。
それに従ってやってみると、
確かに時間通りにぴったり終わる。
バイトは二人一組で、いろんな人と組んだけど、
いちいち話し合ったりしなくても、
誰と組んでも同じ仕事が既定の時間でちゃんとできた。
もちろんサービスを受ける僕たちにとってみれば、非常にうれしいことだ。
マニュアルのおかげで、海外に行っても日本と変わらない味でおいしく食べられる。
でも、作業員からしてみれば、
これは誰にでも入れ替えが可能なことを意味している。
「自分の意見で処理する」ことを排除した単純労働は、楽かもしれないけど、
それは幸せなのか?
幸せになるにはどうすればいいのか
僕たちは、嫌な仕事はしたくないし、できれば好きなことをしてお金を稼ぎたい。
じゃあ好きな仕事をしてみればいい。
昔と違い、今は情報が世界とつながっているのだから。
ではどうすればいいのか?
会社に依存しない
会社をやめろってことなのか?
そこまでは言わないけど、
会社一択の考え改めたほうがいいってこと。
日本の会社は一つの共同体として存在している。
社員は極力平等に扱われ、
会社での自分の価値は、周りの評判で上がる。
評判を勝ち取れなければ、出世はできない。
しかも、大きな成果を上げたとしても、金銭的な報酬を払われることはない。
ボーナスで還元されているんじゃないの?
確かにそうだけど、得た利益に比べれば少ない金額だよ。
何が言いたいかというと、
どんなに頑張っても自分を評価してくれるのは、
その会社の中という小さな世界だけということ。
それなら、グローバルの世界で評判を広げてみてはどうだろう。
グローバル社会では、「専門家」や「スペシャリスト」は、
市場で高い評価を与えられることによって、
それに同等なお金を得ることができる。
そして、好きなことでお金を稼ぐことができるようになるかもしれない。
デジタルインフラを使い倒せ
YouTube・SNS・ブログなど個人が好きな情報を発信できるツールがある。
知っての通り、ほぼ無料でだ。
これを使わない手はない。
好きなことを発信することによって、
今まででは考えられない人までもつながることができる。
もちろん、有名人たちの情報が見られることが多い。
このことを本書では恐竜の頭に例えてショートヘッドと呼んでいる。
それに対して、しっぽの部分はあまり人気のない人やほぼ無名に近い人が
ずらりとゆっくり下降した状態で存在している。
誰でも始めたては、必ずここにいるものだ。
最初は暗黒世界だが、必ず誰かしら発信した情報は読まれるし、見られる
いきなりメジャーではなく、ニッチを攻めてファンを増やしていけばいい。
どうせ、その情報発信は無料なんだから、
人件費がなければ、自分が全てを行えばいい話だ。
大金持ちは無理かもしれないけど、
生活できるぐらいには稼げるかもしれない。
まとめ
努力をすることはいいことだけど、
努力を注ぐものを間違えると、時間をかけたけど結局は何もの頃らないことって
ザラにある。
自分が興味をある者、興味が何もない時はひたすらやってみて
「自分には合わないな」って思ったらすぐに捨てること。
そして、その能力を伸ばす。
能力が付いたら、あなたの評判を広めよう。
グローバルの世界ではあなたを評価してくれる人がいるはずだ。
いきなりホームランは打てないが、
続けていくうちにヒットを打って、塁へ走り出すことができるはずだ。
辛抱強く打席に立ち続けることが最も大事ということ。
他に面白かったところ
- 知能の70%は遺伝で決まる
- 好き嫌いはなぜ生まれるのか?
- 自分を変えようとした男
- 愛情空間と貨幣空間
- 残酷な友情空間、冷淡な貨幣空間
- フリーが生んだ「評判」市場
- 悪人が善人になるネットオークション
など、紹介できなかったことがまだまだあります
続きはぜひ本書でお読みください。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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