【要約・書評】反脆弱性

書籍

著者 ナシーム・ニコラス・タレブ
   望月衛 監訳
   千葉敏生 訳

ダイヤモンド社

タケチ
タケチ

どうもタケチです。

今日は紹介する本は

反脆弱性

著者の経歴
・文筆家
・トレーダー
・大学教授および研究者

仲間A Lv11
仲間A Lv11

「目まぐるしく変わる日々を失敗少なく生きていきたい」

「人生に役立つ思考法を知りたい」

「失敗を恐れている人」

と思っている人にヒントを教えてくれます。

この本の言いたいことは2つです。

・脆いものは全て、変わっていくことを嫌う
・ブラック・スワンを探すよりも、脆いものを理解する方が簡単

ってことだ。

ブラック・スワンとは重大な事件が起こることは非常にまれだが

一回その事件が起きれば、対処するのは難しいという意味です。

いかにブラック・スワンな出来事に強くなるかがカギとなってきます。

それでは、書評をしていきましょう♪

要点

・あらゆるものはシンプルであるほどいい
・トラブルに足を突っ込むことがイノベーションを生む
・間違わない人は信用できない

シンプルであればあるほどいい

あらゆるものは3つの特長に分類される

脆弱 = 変化を嫌い、平穏を求める。
反脆い = 無秩序を成長の糧とする。
頑健(がんけん) = 何事にもあまり動じない。

反脆さを理解することは、

脆さをもっと深く理解することに通じている。

病気を減らさなければ健康にはなれないし、

まず損失を減らさなければ金持ちにはなれない。

それと同じで、

反脆さと脆さは同じスペクトル上に並んでいるわけだ。

反脆弱性 上

つまり、反脆さを手に入れるには、

何事もシンプルにするほどいい。

複雑化するほど予測不能な影響を及ぼし、

複雑化すると元には戻れず、付け足す癖があり余計に複雑になっていく。

先に進めば進むほど、影響は深刻になっていくからだ。

反脆さがあれば、人は考えるよりも行動する方がずっと得意になる。

勉強するのに勉強法ばかりを蓄えても頭はよくならない。

情報が多いほど、もっと効率のいい方法を見つけようとする。

タケチ
タケチ

情報マニアになっていくだけだね。

イノベーションとは自分からトラブルに足を突っ込むことである。

イノベーションを起こしたいのであれば、

自分からトラブルに足を突っ込むことだ。

っといっても、

致命的にならない程度のトラブルにとどめておくことが重要になってくる。

イノベーションとは、最初に必要に迫られて生まれる。

最初の発明や何かを作ろうという努力が思ってもない副作用をもたらし、

必要を満たす以上の大きなイノベーションや洗礼へとつながっていく

反脆弱性 上

ようは、下手な鉄砲も数撃ちゃ当たるってことだね。

仲間A Lv11
仲間A Lv11

テキトーだね。

タケチ
タケチ

数は大事だよ。

失敗するということは、

選択肢が少なくなるから反脆い状態を作り出せる。

困難が才能を呼び覚ます

産業革命からシリコンバレーの隆盛まで、

無学の技術者や起業家が技術の躍進に対して果たしてきた貢献は、

不釣り合いなほど大きい。

反脆弱性 上

ようは、イノベーションは頭がいい人から教わっても

起こせるものではないということだ。

小さな失敗は冒すほど冒すほどいい。

間違いが多いほど、学ぶことが多い。

人生がレモンだらけなら、それでレモネードをつくりゃいい 

レモンとはすっぱいものや苦渋のことだ。

間違いが多いほど、自分の得意が良く分かってくる。

快適とは無駄に通じる道

やすやすと手に入る快適さは意思の力を弱める。

人にとって、欠乏よりも潤沢の方が扱いづらい。

これは、出来上がっているモノの完成度が高いため、

改良の余地があまりないためだ。

快適な環境があるのならば、わざわざその快適から遠ざかることはしない。

つまり、おなかが満たされた状態で新しい料理を求めたりしないように

そこから新しいものは生まれないんだ。

間違いに感謝

脆いシステムは、

物事が計画通りの針路に従うかどうかに依存している。

逸脱は少なければ少ないほどよい。

逸脱は利益よりも害が多いからだ

そういうわけで、

脆いシステムでは予測性の高いアプローチが必要になり、

逆に予測的なシステムが脆さをもたらす。

一方、逸脱を好む場合、

そして未来の事象にどれだけばらつきがあってもかまわない場合には、

ほとんどの事象が利益になるので、

そのシステムは反脆いということになる。

反脆弱性 上

試行錯誤を重ねたものはランダム性に強く、

仮にうまくいかなくても、何がうまくいかないかがわかるようになる。

間違いは次の情報源に生かすことができるということだ。

失敗もせずに成功し続け、壁にぶつかった時、自分の何が悪いのかがわからない。

敗者となる人物

試行錯誤を繰り返してもうまくいかない人は3つのタイプに分類される。

①失敗を犯しても反省しない人
②教訓を学ばない人
③失敗を恥ととらえている人

新しい情報を生かすのではなく、保身に回り、

前進する代わりに失敗に言い訳にする人たちだ

反脆弱性 上
仲間A Lv11
仲間A Lv11

なかなか刺さる言葉だね(笑)

タケチ
タケチ

そうだね(笑)

一つずつひも解いてみよう。

①失敗を犯しても反省しない人

会社での仕事をしているとき、

ミスをしてしまったとしても、そのミスが自分ではないと

認めない人。

つまり、自分に甘く、ミスをしても自分が悪いとは思っていない人だ。

反省しないということは、ミスの原因を深堀するときに自分に対する甘い感情が

入り、人のせいにしてばかりいるせいで何も学ばない。

②教訓を学ばない人

これは学生時代のテストで、

解答用紙が配られても自分が間違ったところを確認せず、

ただ点数だけしか見ず、終わりにしてしまう人だ。

タケチ
タケチ

僕もその一人だったけど(笑)

結果だけを見て、正解か不正解しか見ていないと

何に対して自分は正解だったり間違ったのかがわからない。

せっかく試行錯誤をしても、選択肢を絞り切れず作業が進まなくなってしまう。

③失敗を恥ととらえている人

人は自分に自信がないのに、人からはよく思われたいと考えている

「失敗しないからこそ」が成功と思っている人が多い。

仲間A Lv11
仲間A Lv11

恥はかかない方がいいでしょう。

タケチ
タケチ

恥をかきたくないからと考え、

防御に入っていると行動が制限されるんだ。

知らないことをやるとき、恥をかくリスクが高い。

恥を恐れるようになると、挑戦に対して慎重になり、

最悪の場合、挑戦することを恐れるあまり、行動を起こさないようになる。

新しいことをしないということは、

ドラクエでいうところの村の周りから離れなれず、

冒険を忘れて、雑魚敵だけを倒してレベル上げだけを楽しんでいるのと同じだ。

恥なんてすぐにみんな忘れるし、成功すれば上書きされるものだ。

まとめ

物事の状態には3つのタイプがある。

脆弱 = 変化を嫌い、平穏を求める。
反脆い = 無秩序を成長の糧とする。
頑健(がんけん) = 何事にもあまり動じない。

複雑な世界を暮らしていくには、反脆い状態を目指すことが

成功への道になる。

どうすればいいのか?

物事はシンプルに考えることが望ましい。

予測不可能なことが起きても被害が小さくなるようにする。

新しいことをやりたいときもシンプルに考え

致命的にならない程度の試行錯誤で選択肢を減らしていく、

常に失敗から学び、失敗を楽しむことで

突然来る、ランダムだった出来事が、

ランダムではなくなるということだ。

本書の目次

第1部 反脆さとは
第1章 ダモクレスとヒュドラーの間で
第2章 過剰補償と過剰反応はどこにでもある
第3章 ネコと洗濯機
第4章 私が死ねば、誰かが強くなる

第2部 現代性と、反脆さの否定
第5章 青空位置とオフィス・ビル
第6章 ランダム性は(ちょっとなら)すばらしい!
第7章 浅はかな干渉 医原病
第8章 予測は現代性の生みの子 ブラック・スワンの世界へ

第3部 予測無用な世界観
第9章 デブのトニーとフラジリスタたち
第10章 セネカの処世術
第11章 ロック・スタート10パーセント浮気する バーベル戦術

第4部 オプション性、技術、そして反脆さの知性
第12章 タレスの甘いぶどう オプション性
第13章 鳥に飛び方を教える ソビエト=ハーバード流の錯覚
第14章 ふたつが“同じもの!じゃないとき
第15章 敗者が綴る歴史 試行錯誤の汚名をすすぐ
第16章 無秩序の教訓

他に面白かったところ

・いじくりまわしが計画よりも効果を発揮する条件
・「否定の道」で未来を観る
・「観光客化」という現代病

など、紹介できなかったことがまだまだあります

続きはぜひ本書でお読みください。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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