【要約・書評】繁栄 上

書籍

著者 マット・リドレー
   大田直子 訳
   鍛原多惠子 訳
   柴田裕之 訳

ダイヤモンド社

タケチ
タケチ

どうもタケチです。

今日は紹介する本は

繁栄 明日を切り開くための人類10万年史

歴史を駆動するものは何か?それは「アイデアの交配」だ

繁栄 上 マット・リドレー 表紙より

著者の経歴
「エコノミスト」紙の科学記者
英国国際生命センター所長
コールドスプリングハーバー研究所客員教授

仲間A Lv11
仲間A Lv11

「人間と他の動物では何で知能がこんなに違うのか?」

「世界は悪い方向へ向かっているのか?」

「今の人よりも、昔の人の方が幸せだったのでないか?」

と思っている人に答えを教えてくれます。

本書は過去の膨大なデータを読み取っている。

知識を与えてくれる書籍となっています。

この本の大事なことは2つです。

・人は試行錯誤を続けることで豊かになった。
・生活が豊かになればなるほど、幸せになる。

そして今も豊かになっている。

ってことだ。

仲間A Lv11
仲間A Lv11

確かに豊かになっているけど幸せなのかな?

タケチ
タケチ

人は悲観的なことに過剰になるものなんだ。

全体では確実によくなっていっている。

しかし、個人のレベルに落とすとそうでもないように思われているけど、

それは、周りの人と比べる癖があるかもしれないね。

それでは、書評をしていきましょう♪

要点

・人は人を信用することで時間が生まれる。
・人生の選択肢が多いほど、幸せになる。

現在があるのは過去の試行錯誤の結果だ。

文明が他者だけの習慣をマネしていただけなら、

ここまで社会は成長できなかっただろう。

それはなぜか?

例えば、あなたは農家で、周りの人も農家をしている。

しかし、仕事内容は今とそう変わらないが畑を耕す農具は自分で手入れをして、

壊れたら自分で直していた。

なぜなら周りも同じようにしているからだ。

これでは、文明は成長していかない。

なぜかって?

みんな畑仕事で忙しすぎて、他のことにかまっている暇が無いからだ。

文明を成長させたのは何か?

それは「交換」だ。

交換によって「分業」を発見した。

畑で使う農具はあそこに行けば買えるし、壊れたら直してくれる。

今まで農具を作ったり、直していたりしていた時間がなくなり、

新たに野菜を植えたり、売りに出せるぐらい育てることができる。

農具屋は、手の空いているときに、新しい農具の開発ができるようになる。

努力と才能を専門化させて、お互いの利益を得られる。

タケチ
タケチ

まさにwin-winの関係になるということだね。

悲観主義者の訴え

他者への依存度が減っている、

自給自足の度合いが高まれば状態が良くなる、

テクノロジーの進歩は生活水準の向上をもたらしていない、

世の中は確実に悪くなっている、

物やアイデアの交換は余計で無意味だ、

などと考えている人は世間にはあふれているようだ。

繁栄 上 
仲間A Lv11
仲間A Lv11

確かにテクノロジーの発展で他社への依存度は減ったよね。

タケチ
タケチ

でも、SNSなどでふつうでは繋がれない人と繋がれるようになってるし。

試行錯誤を繰り返すことで、

今までは「環境には悪いけどしょうがないよね」っということが解消されつつある。

日本も高度経済成長の時は公害問題があり、

エネルギー需要は拡大を続け、

1965年から1974年の10年間に2倍、

1955年ごろから見れば7倍に増大した。

その影響で、大気汚染のみならず、水質汚濁、自然破壊が深刻になっていった。

今もその影響はないとは言えないが、確実に改善している。

試行錯誤で悪いものは淘汰されていく。

豊かな人ほど、幸せを感じる。

なぜ世界では経済成長を求めることに必死になっているのか?

と聞かれたら、あなたならどう答えるだろうか。

おそらく、「所得が増えて、幸せになれるから」と答えるだろうか。

ここで、「イースタリンのパラドックス」と呼ばれるものがある。

これは年収800万円を超えるあたりから、所得が増えても幸福度は高くならず、

頭打ちになったり、場合によっては下がってくるという研究結果のことだ。

多分どこかで聞いたことがあるかな?

しかし、

この研究はきっぱりと否定する結論を示された。

やはり、豊かな人は貧しい人よりも幸せで、

豊かな国の人の方が貧しい国の人よりも幸せであり、

人は豊かになるにつれて幸せになる。

自分が選択できる数が多いほど、幸せを感じる。

先ほど紹介したとおり、豊かな人ほど幸せである。

しかし、ここで例外がある。

それは「自分で選択できる量が十分にあるか?」である。

ずっと命令されていて、自分には何の選択権もなく、労働時間も長いのであれば

たとえ給与が高くても不幸せだろう。

僕たちは他の人と相互で依存し合い生活している。

僕たちは、他の人にかなり依存しながら生活している。

この依存のおかげで、生活は豊かになっている。

例えば、あなたがキツネだったとしよう。

一日にすることは基本的に4つしかない。

眠ること、食べること、食べられないように用心すること

そして、子孫を残すこと。

これが、キツネの一生だ。

キツネに限らず、人以外の一生だ。

人には何があるかというと、

わかっている通り、眠り、食べ、料理をし、家事をし

出かけ、買い物をし、働き、入浴する。

他にもあるが、上げていたら読む気を失せるだろう(笑)

キツネは人よりも自由な時間があるが、人よりもやることがない。

っというか暇という概念がないかもしれない。

タケチ
タケチ

知らんけどな~(笑)

人は、自由な時間が限られているが、交換と分業で

結果としてはいろんなものが得られる

それは料理かもしれないし、サービスかもしれない

人は他人にやってもらい、その間、他人のために何かできる。

そして、双方が時間を得ることができる。

そうすることで、ここまで繁栄してこれたのだ。

まとめ

人が繁栄できたのは試行錯誤できたおかげだ。

そして、試行錯誤できたのは他人を信用できて分業ができたおかげでもある。

分業することによって、人は他人のために時間を使い、

僕たちの時間は他の人が作ってくれた

この相互作用で、専門性が磨かれていき、現在のような生活ができるようになった。

生活が豊かになればなるほど、僕たちは幸せになっていく。

豊かになれば、自分が選択できることが増えていき

人生をコントロールできるようになる。

しかし、それを感じることは少ない

僕たちは悲観的にできているからだ。

本書の目次

プロローグ アイデアが生殖するとき
つがう心

第1章 より良い今日 前例なき現在
万人が豊かに
安価な光
時間の節約
幸福
停滞
相互依存宣言
労働の掛け合わせ
自給自足イコール貧困
桃源郷、再び?
イノベーションに向かわせるもの

第2章 集団的頭脳 二0万年前以降の交換と専門家
ホモ・ダイナミクス
物々交換の開始
猟師と採集の分業
海辺づたいに東へ
交換しようか?
リカードの魔法の芸当
イノベーションのネットワーク
近東のネットワーク化

第3章 徳の形成 五万年前以降の物々交換と信頼と規則
交易仲間を見つける
信頼のホルモン
未来の影
もし信頼によって市場が機能するのなら、市場は信頼を生み出せるか
圧政は自由の反対
モンスター企業
商業と創造性
規則と道具

第4章 九0憶人を養う 一万年前からの農耕
交易なくして農耕なし
資本と金属
下劣な野蛮人?
肥料革命
ボーローグの遺伝子
集約農業は自然を救う
有機栽培の間違った選択
さまざまな遺伝子組み換え

第5章 都市の勝利 五000年前からの交易
原始の都市
綿と魚
旗幟は交易を追う
海運革命
政治体制分裂の徳
ガンジス川からテベレ川へ
砂漠の船
ピサの商人
犠牲を強いる国家

”繁栄 上 目次参照”

他に面白かったところ

・召使がいなくても、その時代よりもはるかに豊かになっている
・人は友情の範囲を超えて、見知らぬ人と共通の利害関係を確立する
・職が失われるのと同じ数の働き口現れる。

など、紹介できなかったことがまだまだあります

続きはぜひ本書でお読みください。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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