【要約・書評】マシュマロ・テスト 

書籍

著者 ウォルター・ミシェル
   柴田裕之 訳

早川書房

タケチ
タケチ

どうもタケチです。

今日は紹介する本は

マシュマロ・テスト

著者の経歴
コロンビア大学の心理学教授

仲間A Lv11
仲間A Lv11

「ダイエットが続かない」

「タバコが止めたいけどやめられない」

「もう少し我慢強くなりたい」

と思っている人に気づきを与えてくれます。

そもそもマシュマロ・テストを手短に説明すると、

幼い子供に、本人にとっては魅力的な報酬一つをすぐにもらうか、

少し待ってから二つもらうかという選択肢を与えて、個室に残して

どうするかを見る

なかなか意地悪なテストです。

この結果で、報酬を一つもらった人と二つもらった人はこの後の人生

何か違いは出るのか?というものです。

結果はどうだったかというと、

報酬を二つもらった人、つまり待つことができた人は

社会的・認知的機能の評価が高く、

肥満率が低く、目標を効果的に追求し、ストレスにもうまく対処できた。

長く待てなかった人と比べると中毒や肥満と結びついた脳の領域で

はっきりと違いが見れた。

いかに目の前の欲望を先延ばしにできるかで

行動が変わってきます。

それでは、書評をしていきましょう♪

要点

・マシュマロ・テストの成績が良かった人は強い自制心がある
・先延ばしのコツは、欲求しているものを別の考えで変える
・どんなに小さなことでいいから成功体験を味わう

マシュマロ・テストで成績が良かった人の特長

  • 先延ばしにできたほかの子と比べて、ほかの人より強い自制心を示す
  • 誘惑に負けにくく
  • 集中しようとするときに気が散りにくく
  • 他力本願ではなく、自力本が出自信に満ちている。
  • 自分の判断に信頼を置く
  • ストレスにさらされても、慌てたり、未熟な行動を取ったりする傾向が少なかった。

マシュマロ・テストの効果がわからない子ども

マシュマロ・テストはもちろん万能ではない。

効果がわからない子どもが存在する。

それは、親子間で信頼関係が成立していない子どもだ。

当たり前の話だと思うけど、待った先に何も得られなくなったら自分は損をする。

もしかすると目の前のお菓子もなくなってしまうかもしれないからだ。

その子供の経験上、

周りに約束を守らない人しかいなかったら待つのは損だと考えるだろう。

損をするのであれば、食べてしまえ。

っていうのは普通考えるだろう。

どうやって先延ばしすることができたのか。

僕たちの欲望の中心には「ホットシステム」と「クールシステム」

というものが存在している。

「ホットシステム」は魅力的な欲求を刺激されたら、

人を夢中にさせ、興奮させ、

衝動的な反応を無意識に自動的で引き起こす。

逆に「クールシステム」は思考や行動、情動を調節する役割だ。

頭の中の天使と悪魔では、天使に当たるものと考えればわかりやすいかな。

目の前の欲望を別のモノに変える

テストで我慢できた子供たちは、目の前の大好物のお菓子を目の前にして

どのように我慢できたのか?

それは、目の前のものを食べ物ではなく、「額縁の中に入った写真だ」と想像したりして、

戦略的に気をそらす方法を使ったのだ。

人は何の戦略もなしに目の前の欲望にはあまりにも無力だ。

一週間分にと買っておいたお菓子が

その日のうちに半分なくなるのも説明がつく(笑)

日常でも欲望を別のモノに変えることができる。

例えば、食後のデザートが食べたいが、ダイエットしている最中だったとき、

どうしてもやめておきたいけど「ホットシステム」が騒ぎ始めている。

「デザートが食べたい」と

そんな時はこう考えればいい、

そのデザートはキッチンでゴキブリにかじられたばかりだと想像する。

そうすれば、食べる気は失せ、ダイエットの障害にはならなくなる。

仲間A Lv11
仲間A Lv11

気持ち悪い例えするなよ。

中毒をやめるには

大人になってからもやめたいものはあるだろう。

例えば、タバコがそれにあたる。

しかし、やめるとなると先延ばしではなくなるため、

また別の戦略が必要となってくる。

タバコは体に害があると研究ではっきりし覆ることはないだろう。

タバコを吸い続けると後にもたらす結果、

胃がんになった自分を生々しくイメージすることで

吸うことに嫌悪感を引き起こすものに変える必要がある

ここで重要なのは知識ではなく、イメージすることだ。

イメージが難しければ、YouTubeを見るのも手かもしれない。

末期がんの症状がどんなものか一発で分かる。

タケチ
タケチ

早い話、やめたいものがあればトラウマを植え付けることだね。

仲間A Lv11
仲間A Lv11

何あっさり怖いこと言ってるの!!

成功の原動力は「できると思う」

一貫して基本的な自制のスキルを欠き、

何もかもが手に負えないように感じ、

自分の能力を悲観し、

自尊心を維持するのに苦労している子どもたちが直面する悪循環だ。

適切な自制のスキルや楽観的な見通し、

成功体験、他人による助けや支援がないと、

子供たちは主にホットシステムにコントロールされたままになり、

効力を得ようとする

ごく幼い時の努力が実を結ばない可能性が高く、

選択が狭められるにつれ、

希望よりも絶望の感覚や態度を発達させがちになりかねない。

マシュマロ・テスト

小学校から中学校へと進級に伴い、成績が突然

優劣のはっきりとした形で付けられるようになる。

成績が悪い子供は、自分の能力は変えようがないと思っている

そして、生徒は間もなく成績が落ち始める。

これはもちろん社会に出た人でも同じことが言える。

しかし、ここで諦めずに「自分はできる」と思うことと、

どんなに小さくても「成功体験」を作る必要がある。

根気良く目標を追求し、成功に対する楽観的な見通しを育てて、

成長の過程で避けられない挫折や失敗に

対処する意欲を高めることができるようになる。

まとめ

欲望を先延ばしにできた子供は、その先の人生においても

誘惑に強くなり、肥満や薬物への抵抗が強かった。

脳内には「ホットシステム」と「クールシステム」があり、

欲望を抑えたいのであれば、別のことに意識を持っていき

「ホットシステム」を冷ます必要がある。

目の前にある欲望をかなえた先の自分をイメージする。

あまり良くない結果が待っているのであれば、熱も冷めるだろう。

もちろん、欲望を先延ばしにした後には何もなければ続かない。

成功もイメージするのも重要となる。

以上。

本書の目次

第1部 先延ばしにする能力
自制を可能にする

第1章 スタンフォード大学のサプライズ・ルームで
第2章 彼らはどうやって成し遂げるのか?
第3章 ホットに考える/クールに考える
第4章 自制のおおもと
第5章 万全の計画
第6章 怠け者のキリギリスと働き者のアリ
第7章 あらかじめ組み込まれているのか? 新しい遺伝学

第2部 保育園時代のマシュマロから老後の資金まで

第8章 成功の原動力 「できると思う!」
第9章 将来の自分
第10章 「今、ここ」を乗り越える
第11章 傷ついた自分を守る 自分と距離を置く
第12章 つらい情動を「冷却」する
第13章 心理的な免疫系
第14章 賢い人が愚か振る舞いをするとき
第15章 「イフ・ゼン(もし~したら、そのときには~)」にみられる
人格の表出パターン
第16章 麻痺した意思
第17章 疲労した意思

第3部 研究室から実生活へ

第18章 マシュマロと公共政策
第19章 中核戦略を応用する
第20章 人間の本質

マシュマロ・テスト

他に面白かったところ

・ストレスの影響
・クールシステムが優位に立つと将来は限られる
・人間の行動はそれほど一貫していない

など、紹介できなかったことがまだまだあります

続きはぜひ本書でお読みください。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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