著者 新井紀子
東洋経済新報社
どうもタケチです。
今日の紹介する書籍は、AI vs 教科書が読めない子どもたち です。
著者の経歴
・国立情報学研究所教授
・同社会共有知研究センター長
2011年より人工知能プロジェクト
「ロボットは東大に入れるか」プロジェクトディレクターを務める。
ロボットを東大に入れるプロジェクトがあるとはなかなか面白いことを考える人がいるね
僕は多分このロボットよりも偏差値は低いだろうな…
要点
- ロボットは東大には入れない
- 日本人の3人に1人は文章を正しく読めない
- AIの得意とすることに人間は勝てない
「ロボットが東大に入れるプロジェクトが出した答え」
先に結論を言ってしまうと東大に入ることはない。
ってはっきり言っているんだ。
しかもスパコン(スーパーコンピューター)や量子コンピューターを使っても解消されない問題がある。
そこそこのサーバーを使って5分で解けない問題は、
スパコンを使っても、
地球滅亡の日まで解けない
まじか!!
何が障害になっているのか?
AIは文章の意味が分かっていないんだ。
文章がわかっていないのに穴埋め問題の
回答をどうやって導くのさ!!
空白部の前後の単語を読めば、
大体の答えが推測できる。
昔ワトソンというAIがクイズ番組でクイズ王を打倒したことがある
こんな問題だ 。
「モーツァルトの最後の、そして最も力強い交響曲には、
ある惑星の名前が付けられています」
普通の人ならスマホで検索して答えを導きます。
検索慣れしている人なら、単語で調べるだろう
「モーツァルト 最後 交響曲」
っという感じで、
ワトソンも今のAIも同じ検索の手法で回答を出します。
だけど単語はわかるけど文章になるとわからないのはなぜかというと
AIには「常識の壁」に阻まれるからだ。
常識の壁?
次の問題は今のAIではなかなか解けない
Aさん :もうすぐ本屋だよ
Bさん :ちょっと。○○○○
Aさん :サンキュー。よくあるんだよね。
Bさん :5分前に結んでなかったっけ?
Aさん :だね。今度はしっかり結んどくよ。
〇〇○○に入る言葉は次のうちどれか
①ずいぶん歩いたね。
②もうすぐだね。
③いい靴だね。
④靴の紐ほどけてるよ。
わかると思うけど文脈的に言うと、④だよね
だけど東ロボくんは②を選んだんだ。
ちなみにこの問題は英語だったんだけど、単語がわかっているんだから
AIは間違えるはずがない。
文章が読めていないんだよ。
数値化できないものに関してはお手上げで
今のAIはまだ計算機に過ぎない。
「日本人の3人に1人は文章を正しく読めない」
まじか!!
これは全国読解力調査で判明したことだから
信頼できるデータだよ。
ちなみにこの問題は書籍の中で一部紹介されているから、
自分は文字が本当に読めているのかわかるよ。
自信がなくなってきたよ。
その中で一つだけ紹介しよう
時間を十分にかけて回答してみてね。
問題 次の報告から確実に正しいと言えることには〇を、
そうでないものには×を、
左側の空欄に記入してください。公園に子供たちが集まっています。
男の子も女の子もいます。よく観察すると、
帽子をかぶっていない子どもは、みんな女の子です。
そして、スニーカーを履いている男の子は一人もいません。
①男の子はみんな帽子をかぶっている
②帽子をかぶっている女の子はいない。
③帽子をかぶっていて、しかもスニーカーを履いている子どもは、
一人もいない。
答えはちょっと先にあるよ。
ちなみに、この問題の正答率は63.5%だったんだ。
高校や大学入試に問われるスキルは何一つない。
Sクラスの大学で85%、B・Cクラスの大学で50%を下回っていたんだ。
たしかにこの問題は日本語としてはひっかけ問題な気がするけど
他の問題をやると自分が正しく読めて理解しているのかがわかる。
この読解力は、学力に非常に左右される
小学校の時にいい成績だったのが、中学に上がった時に成績が落ちた経験をする人は多いんじゃないかな。
その原因は、問題を正しく読んで解いたのか
それとも、知識だけに頼って解いたのかの大きな違いが出てくる
中学から多くの人が数学を嫌いになる理由は読解力にあるのかもしれないね。
答え ① 正しい
② 間違っている
帽子をかぶっていない子どもはみんな女の子とは言っていない
③ 間違っている
帽子をかぶっていて、スニーカーを履いている女の子があるは否定できない
「AIが得意なことに人間は勝てない」
AIにとって代わる職業を10~20年後にはなくなる職業は以下の通りだ
- 電話販売員
- 不動産投機の審査・調査
- 手縫いの仕立て屋
- コンピューターを使ったデータの収集・加工・分析
- 保険業者
- 時計修理工
- 貨物取扱人
- 税務申告代行者
- フィルム写真の現像技術者
- 銀行の新規口座開設担当者
- 図書館司書の補助員
- データ入力作業員
- 時計の組み立て・調整工
- 保険金請求・保険契約代行者
- 証券会社の一般事務員
- 受注係
- 住宅等の融資担当者
- 自動車保険鑑定人
- スポーツの審判員
- 銀行の窓口係
AIは決まった法則で仕事をすることを非常に得意とするんだ。
確かになくなる仕事は増えると思うけど、
ヨーロッパで起きた産業革命のときみたいに
増えていく職種もあるんじゃない
その通り、そうやって人は進歩してきたんだ。
でも待てよ…?
それはどんな仕事だ?
AIが干渉できないのは、かなり限定される。
「残る仕事」の共通点を探してみると、
コミュニケーション能力や理解力を求められる仕事や、
介護やあぜの草抜きのような
柔軟な判断力が求められる肉体労働が多そうです。
これはさっき説明したような読解力が必要になる職業が多いんだ。
……。
3人に1人はAIに領域を犯されないようにびくびくして生きるしかない。
残念ながら現状では読解力はどうすれば上がるのかの研究はないようだ。
重要なのは柔軟になることです。人間らしく、
そして生き物らしく柔軟になる。
そして、AIが得意な暗記や計算に逃げずに、
意味を考えることです。
生活の中で、不便に感じていることや困っていることを探すのです。
その他の内容
・AIが作った曲はどのように作られたか
・問題を解けないのは文章が読めないから
・偏差値と読解力
など、紹介できなかったことがまだまだあります
続きはぜひ本書でお読みください。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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