【要約・書評】ファスト&スロー 上巻

書籍

著者 ダニエル・カーネマン
   村井章子 訳
   友野典男 解説

早川書房

タケチ
タケチ

どうもタケチです。

今日は紹介する本は

ファスト&スロー

著者の経歴
認知心理学者
ノーベル経済学賞受賞者

「なんで相手の言葉を誤解するのだろう?」
「すぐに決めつけるクセを直したい」
「もう少し相手の言葉を深く考えたい」

と思っている人にオススメの書籍です。

僕たちのパフォーマンス能力には、

システム1(早い思考)システム2(遅い思考)

があります。

システム1はとにかく速さ勝負。

まさに直感が働いているのはこいつが原因です。

そして、システム2は考えた末に答えを出します。

しかし、僕たちの脳は基本が怠け者で、

システム2がでしゃばることはあまりありません。

だから、基本はシステム1にめっちゃ依存しています。

身の回りに考えずにモノを言う人はいると思いますが、

その人はかなり、システム2が弱くなっています。

僕も心当たりがありますが(笑)

自分のシステム2を働かせて、ちゃんとした答えを出してくれるようになるには

自覚するしかありません。

本書はそれの補い方を紹介してくれます。

それでは、書評をしていきましょう♪

要点

・思考にはシステム1(直感で答える)とシステム2(考えて答える)がある。
・目先の満足を求める人はシステム2が弱い。
・人はなんでも因果関係やストーリーを求める。
・相手の能力はその日の結果が良くても、最後には平均へと近づく。

意思決定は「システム1」と「システム2」の関係性で決まる。

「システム1」は自動的に高速で働き、

努力は全く不要か、

必要であってもわずかである。

また、自分の方からコントロールしている感覚は一切ない

「システム2」は、

複雑な計算など頭を使わなければできない、

困難な知的活動にしかるべき注意を割り当てる。

システム2の働きは、

代理、選択、集中などの主観的経験と関連付けられることが多い。

ファスト&スロー 上

システム1の特長

相手の表情で機嫌が良いのか悪いのかわかる。

二つの物体のどちらが遠くにあるかがわかる。

恐怖写真を見た時にぞっとする。

簡単な計算問題(3+3とか)や簡単な文章を理解する。

突然声をかけられた方角がわかる。

っというように、自分が考えもしないのに脳が勝手に

反応してしまうことが特徴となってきます。

システム2の特長

注意を必要とする場面

「ウォーリーを探せ」でウォーリーを探しているとき

意識的に早歩きをし、そのペースを維持しているとき

相手に失礼がないか、言葉を考えているとき。

家電製品を買うときに商品を比較するとき

っというように、主に集中や選択を必要とするときに

使う脳のシステムです。

タケチ
タケチ

僕も思っていることを考えずに言っちゃうんだよね(笑)

慣れると考えなくなる

学校の勉強や資格の勉強をしているときに、

わからなかった問題がわかるようになり、

いつ問題を出されても、すらすら解いてしまうときがくる。

解けなかった問題を解いているときはシステム2を使っていたが、

慣れてくると、その問題はシステム1で解かれるようになる。

問題文を読んだと同時に答えがわかってしまう時ってありますよね。

まさにシステム1が得意とする早さで問題を処理する。

頭の回転が速い人は、システム2で処理済みのものや

関連のモノを考えていたおかげだったということです。

仲間A Lv11
仲間A Lv11

そうか!!

それならいろいろ考えたほうが頭は良くみられるかもだね。

直感が正しいか確かめる努力が必要

システム2が弱い人の特長を調査して発見したことは、

直感を正しいかどうか確かめる努力を惜しむ人が多いことが分かった。

つまり、直感で出した答えは本当に正しかったのか?

と考えなかった人が多い。

仲間A Lv11
仲間A Lv11

なんで2回言った。

タケチ
タケチ

大事なところだからね。

自分に言い聞かせるのも込めて(笑)

僕たちの脳は基本、怠け者で難しいことはあまり考えたくない。

面倒だけど、自分の直感が正しいか確認しなければならない。

間違っていたら修正することが大事になってくる。

思い込む原因

「フレッドの両親はパーティーに遅れた。

ケータリングサービスはもうすぐ来る予定だ。フレッドは怒った」。

この文章を読んだら、

フレッドがなぜ怒ったのか、

あなたには直ちにわかるだろう。

もうすぐ料理が届くので起こるはずはない。

あなたの連想ネットワークの中では、

怒りと遅刻は結果と考えられる原因として結び付けられるが、

怒りともうすぐ届く料理との間には、

そのような結びつきは起きない。

そこで文章を読むと一貫性のあるストーリーが瞬時に組み立てられ、

フレッドの怒りの原因を理解することになる。

ファスト&スロー 上

僕たちはどんな物事にも因果関係を見つけ出すことができる。

もちろんこの役目はシステム1が瞬時に解釈を出す。

システム2はこの答えを受け入れれば、それが自分なりの答えになる。

先ほどの分かりやすいストーリーならば因果関係がはっきりしているが、

時として、僕たちは因果関係を見誤る。

例えば、ヨーロッパ旅行で一日中有名な観光名所を見て回った。

最高な一日だった。

しかし、ホテルに戻ると、ポケットに入れてあった財布がないではないか!!

財布はどこへ行ったのだろう?

こういう事を聞かれたら、大体の人はスリにあったのではないかと考える。

「有名な観光名所」と「スリ」が連想されたため、

勝手なストーリーを作り出したのだ。

スリのほかにも、レストランに置き忘れたかもしれないし、

途中で落としたのかもしれないという選択肢があるのに。

仲間A Lv11
仲間A Lv11

俺も学生時代、チャリが家になくて盗まれた!!

って騒いでたら、学校に置き忘れてただけってことがあったな

タケチ
タケチ

アホすぎる。

全ての事柄は平均へと帰っていく

成功とは「才能」+「幸運」だ。

大成功とは「少しだけ多くの才能」+「たくさんの幸運」だ。

いくらその分野で才能があふれていたとしても、

何かしらの運がなければ、成功はしない。

たまに才能がなくても成功する人はいるが、

そのあとは失敗続きで結局はダメになってしまうことが多い。

本書では「平均への回帰」と呼ばれている。

今日の試合でいい活躍をした選手が、明日も活躍するとはいえない。

活躍できたのはたまたまで、次の日には、

いつものパフォーマンスに戻ってしまうということだ。

もちろん逆もあり得る。

「アイツがあんなミスをするなんて」って思う事でも

次の日には、いつものできるアイツに戻る。

その人が練習や学習をし始めれば別の話だけど、

そうでもない限り、結果は平均に近づくということだ。

まとめ

僕たちの脳にはシステム1とシステム2が存在している。

システム1は直感でスピード勝負。

システム2はちゃんと考えて答えを出すが、

ひどく怠け者のために、あまり仕事をしてくれない。

仕事をさせるには自分で意識して、言葉を考えなければいけない。

直感を無批判で受け入れる人は、

システム1からの提案を何事によらず受け入れるからだ。

システム1を暴走させると、せっかちで、

目先の満足を追い求めることになってしまう。

結局は何事もよく考えろよってことだね。

以上。

本書の目次

序論

第1部 二つのシステム

第1章 登場するキャラクター
システム1(速い思考)とシステム2(遅い思考)

第2章 注意と努力
衝動的で直感的なシステム1

第3章 怠け者のコントローラー
論理思考能力を備えたシステム2

第4章 連想マシン
私たちを誘導するプライム(先行刺激)

第5章 認知容易性
慣れ親しんだものが好き

第6章 基準、驚き、因果関係
システム1のすばらしさと限界

第7章 結論に飛びつくマシン
自分が見たものが全て

第8章 判断はこう下される
サムの頭の良さを慎重に換算したら?

第9章 より簡単な質問に答える
ターゲット質問とヒューリスティック質問

第2部 ヒューリスティックとバイアス

第10章 少数の法則
統計に関する直感を疑え

第11章 アンカー
数字による暗示

第12章 利用可能性ヒューリスティック
手近な例には要注意

第13章 利用可能性、感情、リスク
専門家と一般市民の意見が対立したとき

第14章 トム・Wの専攻
「代表性」と「基準率」

第15章 リンダ
「もっともらしさ」による錯覚

第16章 原因と統計
驚くべき事実と驚くべき事例

第17章 平均への回帰
ほめても叱っても結果は同じ

第18章 直感的予測の修正
バイアスを取り除くには

第3部 自信過剰

第19章 わかったつもり
後知恵とハロー効果

第20章 妥当性の錯覚
自身は当てにならない

第21章 直感対アルゴリズム
専門家の判断は統計より劣る

ファスト&スロー 上

他に面白かったところ

・真実性の錯覚
・説得力のある文章を書くには
・利用可能性と感情
・回帰を無視する直感

など、紹介できなかったことがまだまだあります

続きはぜひ本書でお読みください。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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