著者 ウォルター・ブロック
橘玲 訳
早川書房
どうもタケチです。
今日は経済学についての書籍の紹介をします。
不道徳な経済学
転売屋は社会の役立つ
著者は大学時代に哲学を学び、大学教授として教鞭を取っていて
アメリカを代表するリバタリアンの一人でもある。
リバタリアンって何?
リバタリアンは「自由」を市場のものとし、
機会の平等を重視し、
結果の平等を否定する「自由原理主義者」で、
国家はあらゆる物事になるべく口をはさむべきでない、
最小限の機能で収まっていることを理想とする考え方なんだ。
機会平等とはだれにでも同様の機会が与えられること。
早く言えばみんな同じ確率で成功する機会を重視することだね
結果平等とはだれでも同じ成果が得られること。
みんながみんな年収1000万円にできる社会
っでさっき言った通り、リバタリアンは結果平等を否定する。
頑張った人と怠けていた人の結果が一緒なんて考えられないよって感じ。
日本だと、右翼(保守主義)と左翼(リベラル)のざっくりとした2つしかないけど、
他の国では、それを細分化されているからね
多分、この書籍は道徳を大事にしている人からすると不快な考え方をしている
僕も考えを覆されているからね(笑)
僕たちには感情という厄介なものが備わっているから
僕は今まで物事の本質を見抜けなかったのかな。
訳者あとがきでも書いてあったけど、
「読者を挑発し、混乱させ、怒らせることを目的としている」とも書いてあるしね(笑)
ではさっそく書評をして行きましょう♪
「みんなが幸福になれるルールが良いルールだ」
過去に思想家アダム・スミスが人は
自由で、
競争し、
成果を望む人間は、
「見えざる手に導かれて、ある目的を達成できるよう励ましたりするが、
その目的とは当人の利害には全くかかわらないものだ。」
わかるようでわからないな??
じゃあわかりやすく説明しよう!!
事業主
①誰もが自分の利益と損害を考えて行動している
②商品を売るにあたって価格を決めなければならない
僕はこのペンを200円で売ることに決めた。
③別の人も同じ商品を売る人が現れた時に競争が生まれる
じゃあ僕はペンを160円で売るよ
④買う人は自分の損害を考えて、安い方のペンを買うようになる
まずい売れなくなった、150円でもいいか!!利益はまだとれるから!
⑤値段を下げたことによって、もう最初の200円ではだれも買わなくなってしまう
⑥商売の市場でしかるべき賃金を支払い、市場の需要のある商品を人々が進んで支払う
気になる価格で作り売らないことには、失敗する
事業主
①誰もが自分の利益と損害を考えて行動している
②商品を売るにあたって価格を決めなければならない
僕はこのペンを200円で売ることに決めた。
③別の人も同じ商品を売る人が現れた時に競争が生まれる
じゃあ僕はペンを160円で売るよ
④買う人は自分の損害を考えて、安い方のペンを買うようになる
この会社の給料は低すぎるな!!
⑤別の会社から従業員を獲得して、最初の会社は倒産する
⑥気になる価格で作り売らないことには、失敗する。
こんな形で見えざる手が市場の秩序をもたらす。
ちょっと脱線しちゃったかな♪
そのために必要なルールは3つしかない
①自己所有と私有財産の権利は不可侵である
・ジャイアンの行為は禁止 お前のものは俺の物
②正当な所有者の合意を得ずに財産を取得することはできない
・暴力行為の禁止
③正当な所有との合意によって取得した財産は正当な私有財産である
・交換と譲ることのルール
これを前提にすると…あれれ!!
世間では悪く言われていたものは何が悪いことなのかわからなくなる。
- 「不道徳な人」は暴力を伴う悪事を働いているわけではない。
- 実質的にすべてのケースにおいて、「不道徳な人」は社会に利益をもたらしている。
- もし「不道徳な人」の行為を禁じるならば、私たち自身が損失を被ってします。
「売春婦」
売春とは、「金銭を介した性的サービスの自発的な取引」。
自発的ということはもちろん、「好きでやっている」ということになるんだ。
「女性の権利を守る」と称する活動家たちのように、
貧しくも虐げられた売春婦の苦境を嘆き、
彼女たちの人生を屈辱的で搾取されたものと考える人々もいる。
しかし売春婦は、セックスを売ることを屈辱的とは考えていないだろう。
ビジネスの長所(短い労働時間、高い報酬)と短所(気の滅入るような職場環境)
を考慮した結果、売春婦は自ら進んでその仕事を選んでいるのである。
でなければ続けるはずがない
でもなんか危ない事件に巻き込まれてるイメージがあるんだよね。
もちろん、その負の側面はないとは言えない。
けど、売春という職業の本質とは何の関係もないんだ。
そして、世間では感情だけで動く、全く関係のない第三者の働きによって
禁止や差別の対象になってしまうこともある。
例えば、ミゼットプロレス(小人プロレス)って知っている?
聞いたことないな!!
ミゼットプロレス(小人プロレス)とは
小人症(身長が極端に低くなる病気)の障害を持った人が行う格闘というよりも笑いを問うことを目的としたスポーツのことだ。
このミゼットプロレスが第三者であるはずの人権団体のクレームによって
メディア側の放送が打ち切りになったりしたんだ。
第三者からは障がい者を持った人を笑いものにするのは許せなかったんだね。
俺は感情が豊かだからな!!不快なものは見たくないよ!!
その考え方はわからないとは言わないけど、
正直障がい者の働き口って限られてくるんだ。
健常者よりもね。
結果としては、ミゼットプロレスは後退してしまうんだけど、
人権団体のクレームがなければ、
まだ人気があるまま続いていたかもしれないね。
ごめん!!話が変わってきた!
ま~職種はどうあれ全て自分が決めたことは取引であるっていうこと(笑)
選んだことが暴力を伴わないものであれば、他人は口を出すべきではない。
「麻薬密売人」
これはアウトの感じしかないけどな~。
どうかな(笑)
もしもキュウリが違法化されたらどうなるか、考えてみてほしい。
種をまいたり、肥料をやったり、収穫したり、市場に運搬したり、
販売したりする費用に加え、法を巧みに逃れるコストや、
不法栽培が発覚したときに課せられる罰金の支払いも、
キュウリの価格に上乗せされるにちがいない。
このように、罰せられるリスク高いほど価格を上がり、
違法薬物の値段が高い理由になるんだね。
違法薬物自体の値段の製造価格は風邪薬と比べても大して違いないといわれている。
本来はそれぐらいの価格なんだ!!
法を取りしまう警官が増えることで薬物の価格は上がり、
下げたいのであれば、麻薬密売人を増やして供給を増やすしかない。
捕まらないリスクがなくなるだけで薬物の価格は暴落するからね
そもそも薬物だけが悪いことか
薬物をすることによって、快楽による脱力感が発生し、
世間では「文明の進歩に反する」といわれているんだ。
薬物を禁止にしないと、怠け者の世界になってしまう。
それはそうでしょ!!
未来は明るい方向にもっていかないとね!!
そうだね。
じゃあ、例えば余暇はどう?
例えば、「今日からこの会社は年の半分を休みにします!!」って会社が現れたら
現実的に厳しいけど(笑)
社会の進歩は停滞するはずだ。
では、法律によって長期休暇は禁止にするのか?って話になる。
でも薬物する人って悲惨な結果になるからよくないんじゃないかな。
確かに中毒者は悲惨な印象があるけど…
そもそも中毒になるのは、薬物に限った話ではないよね。
酒、ギャンブル、ゲームなどいろいろあるけれど
薬物だけが特化して悪いように言われているのはどうだろう。
「転売屋」
転売屋の稼業が成り立つ理由が3つある
①需要の増加とともに売るもの自体が増えていくケース
例えば、チケットだと人数が多くなっても同じ値段で売ることができる
②物の定価があること
株式市場で株を売買するように、マーケットが決めた価格で値段が
上下した形で売るようにしないから値段のつり上げが起こってしまう。
③市場価格よりも安めに価格を決める
安くしたことによって買いたい人数と商品の数が合わなくなる。
確かに株で考えると当たり前の光景だよね
安く買って高く売るってことは!
そうなんだ。絶対に勝った価格よりも高く売れるとは限らないからね。
次にチケットの枚数が決まっていて、それを買いたい人数が多いとどうやって決めているのか。
チケットを売る側は、
パターン1:先着順でチケットを分配するだろう。
パターン2:購入資格を限定することで申し込み自体の人数を減らす
これはよくある、女性限定とか、子供限定だね 。
他にも、人種差別、性差別とか、自分の友達とか挙げればきりがない。
この2つのパターンの中では先着順が最も選ばれている。
公正のように思えるけど何か問題?
問題なんだな。
チケットの販売開始が午前十時だとすれば、
人々はそのずっと前から並び始める。
夜明け前にやってくる者もいるだろうし、前日から徹夜で並ぶ者もいるだろう。
しかしそうなると、列に並ぶのが嫌いな人や、会社を休んで列に並べない人、
あるいは召使やお抱え運転手に命じて列に並ばせられない人はどうすればいいのだろうか。
これも立派な「差別」ではないのか
でも結局お金に余裕がある人が買えるだけになるじゃん!!
それはそうだともいえるし、違うともいえる。
それは、全く職がない人や、時間が余っている人は列に並ぶ十分な時間がある。
仮に働いていたとしても、給与自体が低いため、
休みを入れてもそれほど影響が少ない。
それなら転売行為という形で、雇用の選択肢がほとんどない人たちに
ビジネスチャンスをつかむことができるんだ。
これによって、転売で価格が上がっても買える人たちからは非常に助かる。
仕事のスケジュールに穴を開けなくて済むし、
何よりその人が休むことによっての影響の方が
転売で買うよりも高くつくかもしれないからね。
これらのことを考えれば、僕たちが今生きている資本主義の法則と
何にも変わらないことになるんだ。
このことを考えないで、ある一定の状況に焦点を絞ってみるとみるから、
どうしても悪者に見えてしまうってことだね。
その他の内容
- 女性差別主義者
- シャブ中は生産性を低下させない
- 恐かつ者
- 学問の自由を否定するもの
- 偽札づくり
- 飢饉で大儲けする悪徳商人
- 環境を保護しない人たち
- 幼い子供を働かせる資本家
など、紹介できなかったことがまだまだあります
今まで不道徳と思われていたことがいかに
自分の感情によって作られていたのかがわかる書籍でした。
納得できなかった人は書籍を読んで戦ってみてはどうでしょう。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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