著者 ルトガー・ブレグマン
野中香方子 訳
文塾春秋
どうもタケチです。
今日の紹介する書籍は、
隷属なき道 ~AIとの競争に勝つベーシックインカムと一日三時間労働
著者の経歴
・オランダ出身の歴史家
・ジャーナリスト
こんな人におすすめ
・働き方に疑問を感じている人
・ベーシックインカムを勉強している人
そんなあなたにぴったりの書籍です。
そもそもベーシックインカムって?
ベーシックインカムとは、
生活保護や母子家庭手当、幾多ある福祉プログラムをすべてやめて、
年齢・性別・所得の有無を問わず、
すべての人に所得補償として一定額の現金支給をする制度です。
そんなにお金はあるの?って思う人はニコニコ大百科のベーシックインカム案を参考にしてみて。
一応成り立つらしい。
見た人は思うけど、月額7万円って生活できなくね?って。
一人で7万円だから、結婚すれば14万円になるから結婚する前提の金額だろうね。
この制度の欠点としては、生活できるお金をもらったら人は怠惰になるんじゃないかって疑問だろう。
なんとこの制度の社会実験をしている国があるんだよ。
では、書評していきましょう♪
要点
・実験の結果、人は怠惰にはならないし、幸福度もアップした。
・いらない仕事が多すぎるし、一日8時間も働かなくてOK
・貧困になるとIQが下がる。無くせば上がる。
「ホームレスにお金を給付したらどうなる」
実験までのいきさつはこうだ。
被験者となったホームレスはヨーロッパの金融の中心で、路上生活をしていた。
何十年もね。
それによって、警備費、訴訟費用、社会費などなど、
彼らによって公金が6000万円使われていた。
しかも毎年だよ。
そんなに!!
行政の負担が大きいね。
こういうことがきっかけとなってベーシックインカムの実験をするようになったんだ。
彼らにはお小遣いとして45万渡された。
45万!!
もらった方はキャッハーって感じですね。
路上生活者はまず家がないから高めに設定したんじゃないかな。
お小遣いの見返りは??
当然必要ないし、何に使ったかの報告も必要ない。
使い道は各自に任せる!! では解散(笑)
悪い予感しかしないんだけど……
どうかな。
一年後に調べたところ、45万円のうち、12万円しか使っていなかったんだ。
しかも、身なりが明らかによくなっていた。
実験開始から一年半後には、
13人の路上生活者のうち7人が、
屋根のある生活をするようになっていた。
そのほかに二人が、アパートを狩り、
そこへ移ろうとしていた。
そして13人全員が、支払い能力や個人的成長へと
つながる重要な足掛かりを得ていた。
彼らは受講登録をし、料理を学び、リハビリをし、
家族を訪ね、将来の計画を立てていた
このような実験が行われた国は
オランダ、フィンランド、アフリカで同じような結果をもたらした。
人はただのお金を渡されても、働くし、幸福感がまし、健康状態が良くなったんだ。
「今の世界では8時間労働はいらない」
1930年、経済学者ケインズは予測した。
「2030年には、人々の労働時間は週15時間になる」
外れてるやん!!
そう、産業革命以来続いていた労働時間の短縮は70年代に突然ストップした。
借金によって消費を拡大させる資本主義の登場したせいだ。
週15時間に抑えるのであれば、まだ3倍作業時間を下げる必要がある。
でもどこまで消費し続けるのだろう。
道具はある一定そろっている。
1970年代というのは、テレビ・洗濯機・冷蔵庫が出てきた時代だ。
あのころと違ってモノの価格は安定しているし、今では当たり前のように持っている。
今テレビないじゃん。
うん。
これから何が進化してくるんだろう。
何が必要なんだろうと考えるととくに思い浮かばない。
いろいろ考えていくと、
僕たちは無理矢理に仕事を増やしているんじゃないかとさえ思う。
ぶっちゃけ。
今僕のしている仕事も、いらないものを省けば、
頑張れば半日で終わる作業だよ~……。
会議とか時間の無駄だしね。
しかも労働人口は1980年代増えていった。
女性の解放だ。
1970年に女性が世帯収入に貢献する割合は2~6%だけだったのに対し、
今では40%を上回っている。
そう考えれば、みんなが一斉に働いている必要がないよね。
でも、働かなったら暇になりそう。
確かに暇は消費するよね。
2000年ごろにはすでに、フランス、オランダ、アメリカなどの国は1930年の5倍、
豊かになっている。
でもどうして働き続けている?
最大の問題は、余暇でも退屈でもなく、ストレスと不安定さなのだ。
だからベーシックインカムによって
仕事のストレスと給付による不安定さを無くしてくれるんだ。
結果として、労働時間が短くできるんだよ。
「貧困は個人のIQを低下させる」
貧困のない世界、
おそらくそれは遠い昔から語られていたユートピアの姿だろう。
しかし、この夢を真剣に考える人は、
必然的にいくつかの難問に直面することになる。
貧しい人はなぜ、
犯罪を犯しやすいのか?
なぜ彼らは肥満になりやすいのか?
なぜ彼らの方が酒や薬物に溺れやすいのか?
一言でいえば、貧しい人はなぜ愚かな判断をするのか?
残念だけど、統計的に見ても疑う余地もないんだ。
では貧困が悪いのか?
まさにその通りで貧困が頭を悪くしている。
これは欠乏状態の心理で説明できる。
僕が過去に出したものでいつも「時間がない」あなたにで解説している。
貧困になれば何が問題か?
例えば、お金の管理はどうするか、今晩の食べるものはどうするかで、
後に伸ばした重大な問題が多いせいで、
次から次へとさらに先延ばしにすることによって
やることをジャグリングし始める。
この状態が続けば、ほかのことを考えられなくなる心理状態なんだ。
新型のコンピュータに、
10の重いプログラムを並行処理させることを想像してみよう。
動きはだんだん遅くなり、
エラーが発生し、
ついにはフリーズしてしまう。
コンピュータの質が悪かったからではない。
あまりに多くの作業を同時にさせたからだ。
貧しい人々の状況もそれによく似ている。
彼らが愚かな判断をするのは、
愚かだからではない。
愚かな判断に追い込まれる環境で暮らしているからなのだ。
これは仕事でも当てはまる。まさにマルチタスク状態だね。
貧困を減らすメリットは多くある。
その一つが「十分な採算がとれる」と予測される
勉強時間の増加:12.5%増
福祉費用の節約:年間3000ドル(健康に気を付ける為)
生涯賃金の増加:5万ドルから10万ドル
週の税収の増加:1万から2万ドル
人は好き好んで悪い方向へは行かないってことだね。
まとめ
ベーシックインカムは素晴らしい政策だ。
実際政策としてベーシックインカムのようなものを行ってきたが
余り調査されないまま悪いものと考えられてしまったために、
なくなってしまったんだ。
フリーマネーをもらっても人は労働意欲は下がらず、幸福度は増す。
まだ時間がかかりそうだけど、近い将来そうなっているといいね。
でも僕個人的にはまだこの制度を疑っている。
この制度はいつまで持続できるのか不明な点だからだ。
この点に関してはまた違う機会で発信出来たらと考えているから
見てくださいね。
その他の内容
・GDPの数値の意味は必要か?無料が生み出すものは測れない。
・研究者や技術者を増やせば、社会に還元される
・どのみちAIにはこの先勝てない
・国境を開けば、世界はもっと成長する?
など、紹介できなかったことがまだまだあります
続きはぜひ本書でお読みください。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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