著者 ジェディス・リッチ・ハリス
石田理恵 訳
早川書房
どうもタケチです。
今日の紹介する書籍は、子育てについてです。
著者の経歴
・ハーバード大学大学院心理学研究科で修士号を取得
・心理学の教科書の執筆などにかかわる。
子育ての大誤解
重要なのは親じゃない
今までは、子どもがグレたり、道を外れたりしたりすると、親が非難される。
育て方が悪かったとか、愛情が足りなかったんだとか、
両親の関係が悪いからだ!!とかね。
でも著者は家族の環境が悪いという考えに批判的だ。
今まで常識とされてきたこと
それは、子供の能力は遺伝と環境が50対50で決まるとされてきたことが
違っていたのだ。
では、子供の性格はどこで決まるのか?
それは、外の環境で作られていくんだよ。
これはおかしいことではなく、人は社会的な動物だから他人を常に意識するんだ。
それでは書評していきましょう。
「家庭環境は重要じゃない」
幼少期に離れ離れになり、別々の家で育った
一卵性双生児には不思議な共通点があるという話題ある。
- 二人とも爪を噛む癖がある。
- 日曜大工が好き
- 子供の名前が同じに名付けている
- 二人とも雑誌を後ろから前へ読む
これらの例は、一卵性双生児の遺伝子の影響を実証するもので、
環境が違っていても性格上の特徴が似てしまうことを証明している。
育ったとこが違ってもザ・タッチみたいになるってことね。
だけど、その逆はあまり話に聞かない。
同じ家庭の一卵性双生児は、それぞれ違う家庭で育った双子よりも
シンクロ率は上がるのか?
これが面白いことにそんなことはなかったんだよ。
一方が活発なら、もう一方はおとなしい。
性格テストを受けるとなると、それぞれが別々の回答をしたんだ。
同じにはならないんだ。
結果的に言うと、親が子供に与える物質的な環境も、
家族内の子供全員にとって本質的に同じである親の夫婦関係も、
わずかな影響しか受けないことが分かったんだ。
親が仕事をしまいが、
本を読もうが読むまいが、
お酒を飲もうが飲むまいがね。
「子供たちの世界は2つ以上ある」
実際は人それぞれに二つ以上の人格が存在しているんだ。
多重人格みたいな感じ?
そうそう。
家にいるときの性格と外にいるときの性格は違うってこと。
幼児虐待がなかなか表面化しないのは、
子供たちが家の外でそのことについて話したがらないから。
自分の家が他とは違っていること、親にたたかれ、
床掃除をさせられていることは知られたくない。
逆に学齢期の子供は学校でいじめにあってもそれを親に伝えないことが多い。
これは自分が子供だった頃を思い出せばわかると思うんだけど、
子供が嫌うのは仲間と違う人間になるということなんだ。
自分の家庭環境と違うところはほかの子供たちやテレビを見る必要がある。
他を見て、家庭環境と違っていたら、外の世界のルールに従う。
家では外のルールを持ち込まずに家庭内のルールに収まるんだ。
子供の世界では親は家にいるものなんだ。外の世界では出会わないからね。
だから、母親が学校に来る行事、
例えば授業参観なんかは子供は落ち着かなくなるんだ。
どっちのルールにするかわからなくなるからね。
「親の役割は子供を安心させられること」
なぜ赤ちゃんの中には何かを訴えるように泣き叫ぶ子がいるのだろうか
と不思議に思う。
不思議に思うべきなのはなぜ赤ちゃんが
その状態に耐えられるのかである。
ほとんどの赤ちゃんが一人にされることになれるということこそ、
人類の順応性を証明するものだとされている。
わかるようでわからないんだけど!!
昔の人は狩りと採取で生計を立てていたのはわかるよね。
セキュリティなんてない世界で、赤ちゃんを一人にさせることはなかったんだ。
一人にされたときは、捨てられた時だけなんだよ。
だから赤ちゃんが十分歩けるようになり、
明らかに危険であるものを避けるだけの知恵が
つくまでは親が連れて歩いたし。夜になれば、母親と一緒に寝るんだ。
今ではどうかというと赤ちゃん専用のベットに寝かせるのが一般的になっている。
もちろん、一緒に横になって寝ることによる事故を防げるんだけどね。
寝て事故るの?
寝返りで赤ちゃんをつぶすことがちょくちょくあるんだよ。
だから、赤ちゃんは夜泣きをするんじゃないかな。
自分は捨てられたんじゃないか?と考えて
赤ちゃんは泣くことしかできないからね。
まとめ
子供の成長は母親の愛着によって決まるとされてきたけど、
その仮説を裏付ける経験的な証拠は実際にほとんどないそうだ。
子供が成長するというのは外の世界を軸に形成されるということ。
僕もこの本を読んで思ったんだけど、やっぱり実家に帰ると
普段なら漏らさないような愚痴とか言動が出てくる。
やっぱり、自分の中の世界は二つ存在していることをあらためて思ったよ。
その他の内容
・出生の順位によって性格は変わらない。
・親と似る理由は周りの環境も同じか疑え
・環境を変えれば、子供の性格は変わる
など、紹介できなかったことがまだまだあります
続きはぜひ本書でお読みください。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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