【要約・書評】錯覚の科学

書籍

著者 クリストファー・チャブリス
   ダニエル・シモンズ
   木村博江 訳

文春文庫

どうもタケチです。

今日は紹介する本は

錯覚の科学

著者の経歴
クリストファー・チャブリス
・心理学者
・ニューヨーク・ユニオンカレッジ教授

ダニエル・シモンズ
・心理学者
・イリノイ大学教授

仲間A Lv11
仲間A Lv11

「ちゃんと確認したはずなのに間違えてしまった。」

「なんであの人は誤解しているんだろう。」

「なぜデマにはまってしまうのか?」

人は誰でも錯覚する。

本書の内容は、

注意の錯覚・記憶の錯覚・自信の錯覚・知識の錯覚・原因の錯覚・可能性の錯覚

の6つの実験から構成されている。

本書はいろんな本から引用されていて

一度読んでみて損はありません。

錯覚のすごく勉強になります。

実験の結果をもとに出した結論は、

誰でも錯覚を起こすという事。

頭の良し悪しは全く関係ない。

対策は錯覚を起こす原因を知ることで

錯覚を起こしにくくすることができる。

それでは、書評をしていきましょう♪

要点

・「見えていた」のに「見落とす」。
 集中しすぎると、周りは見えているようで実は見えていない

・人は想定外のモノに弱い。
 車の運転で、通勤通学の自転が少ないほど事故は多くなる

・人は文章を読むときに感情を無意識に付け加える
 物語を肉付けし始める。

人は見ているようで見ていない

日常生活で見ていたはずなのに、

なぜか気づかなかったことはないだろうか。

これは誰にでも当てはまるはずだ。

人は見ているようで、 見えていないことがある。

バスケの試合にゴリラが乱入しても半数が気付かない

ここで面白い実験を紹介しよう。

実験の内容はバスケの試合を観てもらう。

チームのユニフォームは赤と白で分かれている。

ここで白のユニフォームを着ているチームのパスの回数を数えてもらう

その試合の途中でゴリラがコートの中に入ってカメラに向かって

胸をたたいた。

ゴリラが登場して退場まで9秒だ。

はたして、何%の人が気付くかという実験だ。

仲間A Lv11
仲間A Lv11

全員気づくだろう!!

タケチ
タケチ

実はそうではなかったんだ♪

試合を観終わったあと、

試合の最中におかしなことがなかったかと

聞いてみると

何と半数の人がゴリラを見落とした。

この実験で何がわかるかというと、

あることに集中しているとき、

人は見えているものを見逃すということだ。

日ごろからあまり見ないのは見えにくい

日ごろからあまり目にしないものは見えにくいことがある。

これは車の運転をしている人はわかりやすいと思うが、

車の運転中に自転車とバイクは見落としやすい。

視界から突然現れたと思ってしまう。

これは、見ている回数が少なければ少ないほど歩行者と車だけに集中して、

自転車やバイクを意識しなくなるからだ。

錯覚を回避するには、錯覚を知ることから

注意の錯覚を完全に回避する方法はない。

これは、頭のいい人、悪い人とか全く関係がない。

錯覚にはまらないためには、錯覚を起こす原因を知ることで

回避することはできる。

つまり、常にあるものだと思うしか方法がないということだ。

原因の錯覚 デマや陰謀がはびこるのか?

SNSやネット上ではよくデマなのか陰謀なのかわからないことであふれている。

なぜ人は、発生源が不明なものを信じてしまうのか?

人は物事をパターンでとらえ、

偶然の出来事に因果関係を探して、読み取り

話の流れの前後に原因と結果を見ようとし、

時折想像力を含ませる。

パターンにはまる

私たちが無作為のモノにパターンを読み取り、

自分にはそのパターンの生じた原因がわかると思い込んだときに起きやすい。

そして直感的に因果関係を信じ込むと、

その思い込みと矛盾しないパターンを見ようとし始める。

錯覚の科学

ネット上ではいろいろなパターンがある。

マーケティング戦略では、人が物を買う行動をパターン化する。

同じ様な商品を3つ紹介したときに人はほとんど値段の中間のモノを買う傾向がある

などがそれにあたる。

それが正しいのか間違っているのかはさておき、

人はパターンをよく考え、それっぽい答えを見つける。

アイスクリームの消費量が多い日は、水難事故が多いという話がある。

もちろん、アイスの消費量が少なくなれば、水難事故が減る。

これは、アイスを食べることによって、体が冷えて

一時的に体力が低下して、水遊びをすると溺れる。

ということではない。

ニュースなどでこういった情報が流れると人は考え始め、

どんなパターンがあるのか頭をひねる。

しかし、アイスクリームと水難事故には何の関係もない。

その日はただ暑かったというだけだ。

経験による予測

関節炎を患っていると、雨の日は関節が痛む

っといわれているが

実はそんなことはない。

では、なぜ信じてしまうかというと

そういわれているし、実際に痛いと思っているからだ。

傷んだ日がたまたま天気が悪く、

そのたまたまに注目し

他の例を無視したためにそうなるのだ。

物語を作る

書店の小説コーナーに行けば、創造で作った物語が山のようにある。

人はそれを読み、想像を膨らませることができる。

しかし、この能力がたまに変な考えをしてしまう。

例えばこんな文章を考えてみよう。

①太郎は、兄から何度も何度も殴られた。
 翌日、太郎の体はあざだらけになった。

②太郎には精神状態が悪い母親がいて、
 ある時、太郎に激しい怒りを爆発させた。
 翌日、太郎の体はあざだらけになった。

①の文章は、推理の必要がなく、

あざができた原因は兄から殴られたからだ。

②の文章はどうだろう。

大体の人は母親に殴られたからあざになったんだっと思うだろう。

しかし、文章には

母親は確かに起こっていたが、殴ったとは書いていない。

僕たちは全く意識をせずに、反射的に解釈を行う。

ほとんど無意識に書かれていない情報を付け加えのだ。

まとめ

人はどんな人であれ、錯覚を起こすものだ。

集中しすぎると、目の前のモノしか見えず、周りの景色もちゃんと見えていると

錯覚を起こす。

バスケの試合にゴリラが乱入しても半数がゴリラを気付かなかったのが

何よりの証拠だ。

錯覚を防ぐ手段はなく、あえていえば、錯覚を起こすことを知ることが

錯覚を起こしにくくなる。

そして、錯覚は目に見えるものだけではなく、

デマの情報、陰謀にもよくはまってしまう。

それは、人はある出来事にパターンを見つけると、

これは正しく思ってしまう。

そのパターンに隠れているほかのことには目がいかなくなってします

経験も時として、錯覚を起こす。

今まで生きてきた中で培われてきた情報を修正していくのは難しい。

関節炎は天気が悪い時に痛むといわれているが

これは単なる勘違いだ。

人はたまたま天気の悪いその日に痛み、他の日では平気でいたが

そのことを無視する。

そして、最後に想像も錯覚を起こす。

人は文章を読んで、文章にはない

足りない情報を無意識のうちに付け加える。

太郎には精神状態が悪い母親がいて、ある時、太郎に激しい怒りを爆発させた。

翌日、太郎の体はあざだらけになった。

のような文章には、母親が殴ってあざだらけにしたと思ってしまう。

本書では、他にも記憶の錯覚・自信の錯覚・知識の錯覚・可能性の錯覚

について書かれている。

錯覚は実生活でも大いに活用できるため、おすすめです。

本書の目次

はじめに 思い込みと錯覚の世界へようこそ

実験Ⅰ えひめ丸はなぜ沈没したのか?

注意の錯覚 潜望鏡で会場を監視していた泉水船長は、えひめ丸が「見えていた」のに「見落としをした」という。だが、これは不思議ではない。人間は、バスケの試合に乱入したゴリラにさえ、気づくことができないのだ

実験Ⅱ 捏造された「ヒラリーの戦場体験」 記憶の錯覚

ヒトは記憶を脳に定着させる時、「本当にあったこと」だけでなく、「あるべきこと」を勝手に混同させてしまう。ヒラリー・クリントンが大統領選で語った「戦場体験」のこのメカニズムで作られた

実験Ⅲ 冤罪証言はこうして作られた 自信の錯覚

レイプ魔が顔貌を細部までしっかり目に焼き付けた被害者女子大生は、自信たっぷりに「犯人」の顔写真を選び出した。ぶれることのない法廷供述は、完璧だった。だが、真犯人は全くの別人だったのだ。

実験Ⅳ リーマンショックを招いた投資家の誤算 知識の錯覚

専門用語にご用心! 難解な言葉や概念を駆使する専門家でさえ、肝心のことがわかっていないことがしばしばある。おかしいと感じたら「なぜ?」を連発してみよう。ニセモノはすぐに馬脚をあらわす

実験Ⅴ 俗説、デマゴーグ、そして陰謀論 原因の錯覚

「セックスで若返る」「9・11事件はブッシュ政権の陰謀」「ワクチン接種で自閉症になる」……根拠のない話が、なぜ定説となってしまうのか? 偶然を必然と捉えたがる人間心理の陥穽

実験Ⅵ 自己啓発、サブリミナル効果のウソ 可能性の錯覚

「モーツァルトを聞くと頭が良くなる」「潜在意識を刺激すれば消費者マインドを刺激できる」……科学実験ではことごとく否定されているこれらの説は、なぜ広く信じられているのか?

おわりに 直感は信じられるのか?

謝辞

訳者あとがき

参考文献

解説 脳トレ・ブームに騙されるな! 成毛眞

など、紹介できなかったことがまだまだあります

続きはぜひ本書でお読みください。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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