【要約・書評】物欲なき世界 

書籍

著者 菅付雅信

平凡社

タケチ
タケチ

どうもタケチです。

今日は紹介する本は

物欲なき世界

著者の経歴
・編集者
・グーテンベルクオーケストラ代表取締役

「今の人は何を欲しがらないのか?」
「どうしたらモノを買うのだろうか?」

そんなことに思っている人に本書はオススメです。

今の世代は生まれた時から、モノにあふれている。

欲しいものがあまりない世界というのは、何を目標とすればいいのか。

その世界では何が幸福とみなされるのか。

実は消費と幸福は無理矢理結び付けられていたのではないか

と考えさせられます。

では、さっそく書評をしていきましょう♪

本書の目次

1:「生き方」が最後の商品となった
2:ふたつの超大国の物欲の行方
3:モノとの新しい関係
4:共有を前提とした社会の到来
5:幸福はお金で買えるか?
6:資本主義の先にある幸福へ
あとがき 経済の問題が終わった後に

要点 

・あこがれの人のライフスタイルにお金を払う。
・売るには商品の物語が必要になった。
・モノが幸福のシンボルではなくなった。

欲しいものがない世界では人は何にお金を払う?

今の世代は生まれた時からモノにあふれていて、

生活に最低限のものは手元にあったはずだ。

そして、ネットでモノが買えるようになると、

欲しいものが必ず見つかるようになる。

しかし、モノや情報が多すぎて選ぶのも大変だ。

ある時ふと気づいたんだ。

「これって買う必要があるのか?」って

ライフスタイルを売る。

商品を買うのに疲れた人は何にお金をかけるのか。

その一つとして、あこがれの人のライフスタイルだ。

タケチ
タケチ

最近でもないけど、オンラインサロンがこれに当たるね。

「あの人の考え方が知りたい」

「あの人が持っている商品が欲しい」

っというように、

気に入った人の考え方を取り入れ、周りのサロン仲間も

基本同じ考え方を共有しているため、コミュニティーが出来上がる。

商品の差別化と物語

商品を売るためには、ライバルとはっきりした違いを示す必要がある。

なぜなら同じものであれば、お客は別のブランドに流れるかもしれないし、

次から次にマネされて

売り上げが減少していくからだ。

ブランドのエルメスは質も価格も最高級の物を使用して、差別化を図り、

ユニクロは、自社の技術を低価格で提供している。

他のブランドはこの中間層で争っている。

モノがあふれている時代、一つの物を所有することの喜びが薄くなって、

感動が違うものになっているときに、どう差別するのか?

それは商品の物語を売ることだ。

そのものを買って手にすると、その先にどんなハッピーが生活の中にあるかというところまで提案しなければいけない。

つまり、アウトドア商品を売りたいときは、

その商品を実際に使って楽しんでいるところまで想像させる。

モノが幸福のシンボルではなくなる時代

バブル期後に生まれた人は、日本が成長しない社会しか知らない。

そして、身の丈に合った生活で満足できるようになっているのかもしれない。

YouTubeや暇をつぶせる無料のゲームなどがあるおかげで。

そう考えれば、わざわざお金をかけてまで欲望を満たす必要はなくなる。

日本の成長を知っている世代と話が合わないのも無理はないのかもしれない。

お金持ち=幸せにはならない

経済学者のダニエル・カーネマン教授の調査によれば、

年収500万円から899万円のグループと900万円以上のグループにおいて、

幸福感にほとんど差はないという。

この原因として、高収入グループは仕事などに費やす時間が多くなり、

ストレスが多いからだという説を打ち出している。

しかし、日本の平均年収は450万円前後だから、調査の範囲には該当しない

だけど、この時と比べてあらゆるものが無料になり、生活環境は豊かになった。

食や住の基本的な欲求を満たされれば、

年収は幸せの向上にはつながらないのかもしれない。

高級品は時代遅れになるかもしれない。

私たちの日常を取り巻く日用品は

グローバリゼーションの中でますます低価格化するだろう。

一方で高級ブランドは意図的にさらに高級化し、

一部の富裕層を除いて人々は

それに対するあこがれや渇望を失い、

または時代遅れとみなすようになる。

仲間A Lv11
仲間A Lv11

これはまた大胆予想だね。

タケチ
タケチ

それがそうでもない。

今はモノがあふれて売れない時代といわれている。

それによって企業は在庫をさばくために、安売り合戦をやっている。

ある程度お金を稼いでいた中間層がなくなりつつある。

この先は消費が意味を持たなくなる、

「豊かだけど貧しい世界」が待っているかもしれない。

でもそれは、消費社会が終わりを迎え、

次なるステージに突入することを意味している。

今までの「モノによる幸福」ではなく、別の概念ができてくるということだ。

他に面白かったところ

  • 服よりも生活に興味
  • 若い世代の物欲のなさはある種の賢さ
  • 消費リテラシーが高い街
  • 社会発展の過渡期としての「物欲」
  • 世界は脱物物質化する
  • 時間的貧困化から抜け出す方法
  • 中間層が没落すると消費ブームが戻らない

など、紹介できなかったことがまだまだあります

続きはぜひ本書でお読みください。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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